最終更新日 2024年8月27日 by ffther
ゼロエネルギー住宅という言葉が、少しずつ世間で知られるようになってきました。
初めて聞いたとしても、どのような住宅なのか何となくイメージできるでしょう。
学術的なサイトでは小難しく定義されていますが、要するにエネルギーの収支がマイナスにならない住宅を意味します。
家庭のエネルギーと言えば本来は消費されるものであり、プラスになることはないというのが従来の常識です。
節電をはじめとして省エネが推進されていますが、それはエネルギーをプラスにするものではありません。
消費を抑えるだけであり、マイナスであることに変わりはないというわけです。
トレンドになっているデマンド制御も基本的には同じです。
エネルギー消費のピークを予測して、使用のタイミングをずらすなどの方法が採用されていますが、それも結局はマイナスの幅を食い止めることが目的となっています。
したがって、この観点のままエネルギーゼロを目指すのであれば、電気などを使わずに暮らしていくしかありません。
しかし、現代社会の住宅においてそのような生活は不可能といえます。
簡単にいうと災害によって水道以外のライフラインが完全に遮断されている状態です。
数日であれば我慢できても、それをずっと続けていくことは非常に難しいでしょう。
しかし、まったく別のアプローチで考えることで、あっけなくゼロエネルギー住宅を実現できます。
消費する一方である現状を変えて、自分たちで創りだせば良いのです。
たとえは、1000kwhの電力量を使っても2000kwhの発電を行えば、収支はプラス10000kwhということになります。
このように、消費する量よりも多く発電している限りマイナスに落ち込むことはありません。
ゼロという言葉が使われていますが、必ずしも収支を等しくする必要はないので注意してください。
数値的には0以下であれば条件を満たしていることになります。
これは理論的には簡単に聞こえるかもしれませんが、実現していくには以下の3つの要素をうまく組み合わせなければなりません。
ゼロエネルギー住宅には補助金が支給されますが、そのためにもこれらの要素がポイントになってきます。
1つ目は最初に挙げた省エネであり、いくらエネルギーをたくさん創っても、無駄遣いをしていたら結局マイナスになってしまいます。
それを回避するには、 住んでいる人が意識的に節約することも大切 です。
しかし、それだけでは限界があるので、あくまでも補助的なものだと考えておいたほうが良いでしょう。
メインの手法としては、やはり機器による制御に頼ることになります。
住まいで消費される分と創られる分を把握できるシステムを設けたうえで、いろいろな節電タイプの製品を導入しなければなりなりません。
代表的なものとしては、人の動きを感知して無駄な暖めを避けるエアコンが挙げられます。
わずかなエネルギーで水を沸騰させられる給湯器や効率よく照らしてくれる照明なども該当します。
2つ目の要素は創エネであり、こちらを実現する代表的な機器は太陽発電システムです。
いわゆる再生可能エネルギーを家庭で創れるようにする仕組みを導入する必要があります。
こちらがゼロエネルギー住宅の肝ともいえる存在であり、性能が悪ければ消費量を上回ることは不可能です。
したがって、ソーラーパネルを設置するときも変換効率の優れた製品を選ばなければなりません。
また、汚れなどによって劣化していくのでメンテナスの面でも秀でているものが望ましいです。
温度が上がること防止するために水を流すタイプもあります。
いずれにせよ、こちらに関しては妥協せずに投資する気持ちで導入することが大事です。
3つ目の要素は断熱であり、こちらは省エネと少し関係があります。
できるだけ住宅内の環境が維持されるように、性能が優れた断熱材を使用しましょう。
さらに、窓やサッシについても熱の伝導率を考慮する必要があります。
いくら壁に高級な断熱材を埋め込んでも、それらの性能が悪ければそこから熱が簡単に移動してしまいます。
そのためトータルの視点で、家と外の熱の出入りをシャットアウトしなけばなりません。
そうすればエアコンの使用を控えめにできるので、結果的に消費エネも実現できるというわけです。
そう言われても、補助金に興味がないならゼロエネルギー住宅に価値を見出せないという人もいるでしょう。
実は補助金以外にもメリットがあるので、多くの人にとって試してみる価値があります。
最も大きなメリットは経済的な負担を恒常的に減らせることだとエスコシステムズは強く強調しています。
エネルギーの収支がゼロ以下になるということは、それだけ電気代やガス代が減るということです。
それどころか、余った電気を売ることで不労所得を得ることも可能になります。
さらに健康に過ごしやすくなることも大きなメリットです。
住まいの温度が一定に維持されるので、季節に関わらず快適に暮らせるようになりますし、ヒートショックを防ぐ効果も期待できます。